令和8年度 介護職員等処遇改善加算(Ⅰロ)算定について
厚生労働省は、令和8年度(2026年度)介護報酬改定において、2026年6月1日より処遇改善加算制度の拡充を実施しました。対象範囲の拡大および加算率の見直しが行われ、介護従事者全般の処遇改善を図る仕組みが強化されています。
この制度改定に伴い、株式会社グリーンケアは所定の基準を満たし、上位区分にて算定を行っております。
令和8年度介護職員等処遇改善加算の拡充した点は以下の3つです。
1. 処遇改善加算の対象について、介護職員のみから介護従事者に拡大
介護職員のみならず、介護従事者を対象に、幅広く月1.0万円(3.3%)の賃上げを実現する措置が実施されました。
2. 生産性向上や協働化に取り組む事業者に対する上乗せの加算区分を設ける
令和8年度特例要件を満たすことで、加算Ⅰイが加算Ⅰロに、加算Ⅱイが加算Ⅱロに引き上げられました。
令和8年度特例要件は以下の通りです。
以下のア~ウのいずれかを満たすこと。
ア)訪問、通所サービス等
→ケアプランデータ連携システムに加入+実績報告
イ)施設サービス等
→生産性向上推進体制加算Ⅰ又はⅡの取得+実績報告
※事務負担への配慮措置として、加算の申請時点では、加入又は取得の誓約で算定可能とする。
ウ)社会福祉連携推進法人に所属していること。
3. 処遇改善加算の対象外だった訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援等に処遇改善加算を新設する
訪問看護、訪問リハ、居宅介護支援が新たに処遇改善加算の対象に加えられました。
新たに処遇改善加算に加えられるサービスは(Ⅳ)に準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ及び職場環境等要件を区分ごとに1つ以上)またはケアプランデータ連携システムに加入することで算定が可能です。(要件を満たす見込みでも可能)
株式会社グリーンケアでは、処遇改善加算「Ⅰロ」 を算定しております。
「Ⅰロ」は、計画的な賃金改善の実施、キャリアパス制度の整備、職場環境改善への取り組みなど、厳格な要件を満たした事業所のみが算定できる区分です。 ※以下処遇改善加算の算定要件参照
- ▽(新)加算I「ロ」
-
(要件、すべて満たすことが必要)
・賃上げ(加算IV相当額の2分の1以上の月額賃金配分、キャリアパス要件I・IIなど)
・職場環境改善(28項目中13項目以上実施)
・資格や勤続年数等に応じた昇給の仕組み
・改善後の賃金年額440万円以上の介護職員1人以上
・経験・技能のある介護職員を事業所内で一定割合以上配置]
●新要件(訪問・通所サービス等では「ケアプランデータ連携システムの導入・見込み」、施設・居住サービス等では「生産性向上推進体制加算の取得・見込み」)
1. 加算率(サービス種別別)
令和8年度処遇改善加算の主な加算率(所定単位数に対する割合)は以下のとおりです。
| サービス種別 | 加算区分 | 加算率 | |
|---|---|---|---|
| 訪問介護 | Ⅰ | イ | 27.0% |
| 訪問介護 | Ⅰ | ロ | 28.7% |
| 訪問介護 | Ⅱ | イ | 24.9% |
| 訪問介護 | Ⅱ | ロ | 26.6% |
| 訪問介護 | Ⅲ | – | 20.7% |
| 訪問介護 | Ⅳ | – | 17.0% |
※表は一部サービスの抜粋です。
※加算率は所定単位数に対する割合です。
※詳細は厚生労働省告示に基づきます。
2. 新たに加算対象となるサービス
令和8年度の改定では、従来の訪問介護・通所系サービスに加え、以下のサービスも加算対象となりました。
- 訪問看護(約1.8%)
- 訪問リハビリテーション(約1.5%)
- 居宅介護支援/介護予防支援(約2.1%)
これにより、介護職員のみならず、幅広い介護・看護従事者の処遇改善が図られています。
3. 制度の背景と目的
本制度は、介護分野における人材確保・定着を目的とし、以下の実現を目指しています。
- 職員の安定した労働条件の確保
- 継続的な賃金改善
- 働きやすい職場環境の整備
- サービス品質の向上
株式会社グリーンケアでは、処遇改善を「制度対応」にとどめず、人材育成・キャリア形成・職場環境整備を含めた総合的な取り組みを推進しています。
4. 適用時期
令和8年度(2026年度)介護報酬改定に伴い、新しい加算率は 令和8年6月以降の算定分より適用予定 となっています。
算定要件は「キャリアパス要件」「月額賃金改善要件」「職場環境等要件」の3つの要件区分に分かれます。それらの要件をどの程度満たすかによって、介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅳ)の4つのどの区分に当てはまるかが決まります。
令和8年度介護報酬改定にて新たに処遇改善加算の対象となった「訪問看護」「訪問リハビリテーション」「居宅介護支援」のサービスについては、(Ⅳ)に準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ及び職場環境等要件を区分ごとに1つ以上)または令和8年度特例要件を満たすことで算定が可能です。(要件を満たす見込みでも算定可能)区分分けの表は以下の通りです。
「キャリアパス要件」「月額賃金改善要件」「職場環境等要件」の3つの要件区分と「令和8年度特例要件」については以下となります。
- ■ 当社の算定状況
- 株式会社グリーンケアでは、キャリアパス要件・月額賃金改善要件・職場環境等要件・令和8年度特例要件を満たし、上位区分である「Ⅰロ」にて算定を行っております。
- ■ 各要件の概要
-
― キャリアパス要件 ―
(Ⅰ) 介護職員について、職位、職責、職務内容等に応じた任用等の要件を定め、それらに応じた賃金体系を整備する
(Ⅱ) 介護職員の資質向上の目標や以下のいずれかに関する具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施または研修の機会を確保する
a:研修機会の提供又は技術指導等の実施、介護職員の能力評価
b:資格取得のための支援(勤務シフトの調整、休暇の付与、費用の援助等)
(Ⅲ) 介護職員について以下のいずれかの仕組みを整備する
a:経験に応じて昇給する仕組み
b:資格等に応じて昇給する仕組み
c:一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み
(Ⅳ) 経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、賃金改善後の賃金額が年額440万円以上であること
経験・技能のある介護職員とは?
基本的には「介護福祉士の資格を持ち、所属する法人で勤続10年以上の介護職員」とされていますが、他法人での経験や職員のスキルや担当業務などを踏まえて各事業者の裁量で設定します。
(Ⅴ) サービス類型ごとに一定割合以上の介護福祉士等を配置していること― 月額賃金改善要件 ―
(Ⅰ) 新加算Ⅳ相当の加算額の2分の1以上を、月給(基本給または決まって毎月支払われる手当)の改善に充てる
(Ⅱ) 前年度と比較して、現行のベースアップ等加算相当の加算額の3分の2以上の新たな基本給等の改善(月給の引上げ)を行う― 職場環境等要件 ―
職場環境等要件は以下の6つの区分に分かれています。
介護職員等処遇改善加算 Ⅲ・Ⅳを算定する場合は以下の区分ごとにそれぞれ1つ以上(生産性向上は2つ以上)取り組んでいる必要があり、介護職員等処遇改善加算 Ⅰ・Ⅱを算定する場合は、以下の区分ごとにそれぞれ2つ以上(生産性向上は3つ以上うち⑰又は⑱は必須)取り組んでいる必要があります。1. 入職促進に向けた取組
- ①法人や事業所の経営理念やケア方針・人材育成方針、その実現のための施策・仕組みなどの明確化
- ②事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築
- ③他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等、経験者・有資格者等にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築(採用の実績でも可)
- ④職業体験の受入れや地域行事への参加や主催等による職業魅力度向上の取組の実施
2. 資質の向上やキャリアアップに向けた支援
- ⑤働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対するユニットリーダー研修、ファーストステップ研修、喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援等
- ⑥研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動
- ⑦エルダー・メンター(仕事やメンタル面のサポート等をする担当者)制度等導入
- ⑧上位者・担当者等によるキャリア面談など、キャリアアップ・働き方等に関する定期的な相談の機会の確保
3. 両立支援・多様な働き方の推進
- ⑨子育てや家族等の介護等と仕事の両立を目指す者のための休業制度等の充実、事業所内託児施設の整備
- ⑩職員の事情等の状況に応じた勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、職員の希望に即した非正規職員から正規職員への転換の制度等の整備
- ⑪有給休暇を取得しやすい雰囲気・意識作りのため、具体的な取得目標(例えば、1週間以上の休暇を年に●回取得、付与日数のうち●%以上を取得)を定めた上で、取得状況を定期的に確認し、身近な上司等からの積極的な声かけを行っている
- ⑫有給休暇の取得促進のため、情報共有や複数担当制等により、業務の属人化の解消、業務配分の偏りの解消を行っている
4. 腰痛を含む心身の健康管理
- ⑬業務や福利厚生制度、メンタルヘルス等の職員相談窓口の設置等相談体制の充実
- ⑭短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業員のための休憩室の設置等健康管理対策の実施
- ⑮介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、職員に対する腰痛対策の研修、管理者に対する雇用管理改善の研修等の実施
- ⑯事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備
5. 生産性向上のための業務改善の取組
- ⑰厚生労働省が示している「生産性向上ガイドライン」に基づき、業務改善活動の体制構築(委員会やプロジェクトチームの立ち上げ又は外部の研修会の活用等)を行っている
- ⑱現場の課題の見える化(課題の抽出、課題の構造化、業務時間調査の実施等)を実施している
- ⑲5S活動(業務管理の手法の1つ。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとったもの)等の実践による職場環境の整備を行っている
- ⑳業務手順書の作成や、記録・報告様式の工夫等による情報共有や作業負担の軽減を行っている
- ㉑介護ソフト(記録、情報共有、請求業務転記が不要なもの。)、情報端末(タブレット端末、スマートフォン端末等)の導入
- ㉒介護ロボット(見守り支援、移乗支援、移動支援、排泄支援、入浴支援、介護業務支援等)又はインカム等の職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器(ビジネスチャットツール含む)の導入
- ㉓業務内容の明確化と役割分担を行い、介護職員がケアに集中できる環境を整備。特に、間接業務(食事等の準備や片付け、清掃、ベッドメイク、ゴミ捨て等)がある場合は、いわゆる介護助手等の活用や外注等で担うなど、役割の見直しやシフトの組み換え等を行う。
- ㉔各種委員会の共同設置、各種指針・計画の共同策定、物品の共同購入等の事務処理部門の集約、共同で行うICTインフラの整備、人事管理システムや福利厚生システム等の共通化等、協働化を通じた職場環境の改善に向けた取組の実施
※生産性向上体制推進加算を取得している場合には、「生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組」の要件を満たすものとする
※小規模事業者は、㉔の取組を実施していれば、「生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組」の要件を満たすものとする6. やりがい・働きがいの醸成
- ㉕ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善
- ㉖地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上に資する、地域の児童・生徒や住民との交流の実施
- ㉗利用者本位のケア方針など介護保険や法人の理念等を定期的に学ぶ機会の提供
- ㉘ケアの好事例や、利用者やその家族からの謝意等の情報を共有する機会の提供
※Ⅰ・Ⅱにおいては、情報公表システム等で職場環境等要件の各項目の具体的な取組内容の公表を求めます。
参考:処遇改善加算等について|厚生労働省
- ケアプランデータ連携システムに加入(または見込み)であること。







